明るさについて
明るさについては、様々な基準から見た単位がありますが、最も一般的な指標はW(ワット)数です。
ですが明るいと感じるか、暗いと感じるかについては、個人の方の好みや感じ方、部屋の家具の配置や、壁紙の色、他の部屋との明るさの関係、心理的な影響、その空間が求められる役割等、様々な要因により変動します。
JISによる照度基準(外部リンク)も定められていますが、単位がルクスであり一般的な照明のスペック表記であるW数から算出するのは難しいです。
この為、「これだけのW数があれば明るさは十分です」と言える明確な基準は無く、色々な要素を考慮して選択する必要があります
照明器具側の要素
基本となる部屋の広さと照明の明るさの関係について
一般的に、1畳あたりに必要とされる電球のW数は下記が目安となります。
基準はメーカーによりまちまちですが、加齢による明るさの感じ方や好み、部屋の用途等による必要とされる明るさの違い等は考慮されていない点に注意が必要です。
また、W数は消費電力の単位である為、ランプの種類や、光の色等により同じW数であっても感じる明るさは全く異なる点にも注意が必要です。
ランプ種類 |
1畳辺りに必要とされるW数 |
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白熱灯 |
30〜40W |
蛍光灯 |
10〜20W |
ボール型蛍光灯 |
12W |

照明は1台?複数台?
上記の適用畳数のほとんどは、照明1台でその広さを十分に照らせることを前提にした表示です。複数の照明を用いて雰囲気のある部屋作りを目指す場合は、こちらも念頭に置いておく必要があります。
照明の形状
照明の形状により、同じW数でも受ける印象は大きく異なります。
主な形状 | 名称、特長 |
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全体拡散型明暗の差が少なく全体を広く明るく照らします。部屋の家具の配置等に左右されにくい安定した明るさを得ることができます。 同じW数でも部屋全体が明るく感じられるのはこのタイプです。 |
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半直接照明光を透過するセードと、下向きに露出した光源をもつ照明で、全体拡散型と比べて陰影が出やすくメリハリのある空間を演出します。 同じW数でも光が比較的まっすぐ落ちる為、照明器具の直下では全体拡散型に比べて明るくなりますが、少し離れた部分では暗くなります。 |
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半間接照明一部を間接照明として、一部を全体に拡散させるタイプです。 陰影はそれ程強くありませんが、明るさと言う点では全体拡散型や、半直接照明に比べるとやや劣る傾向がある為、必要に応じて補助的な光源(スタンドライト、ペンダントライト)等が必要となります。 |
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間接照明壁や天井からの反射光で空間を照らす為、ムードある空間を作り出すことができますが、全体拡散型や半直接照明と比べてW数あたりの明るさは大きく落ちます。 どちらかと言うと単体での利用には向かず、複数の器具や他のタイプの照明と組み合わせて利用する演出的な位置づけのものが多いです。 |
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直接照明照らす範囲が狭く陰影が強く出る為、全体拡散型と同じW数でも照射範囲の中心部ではより明るく、外れた場所では暗めになります。 器具の形態として、ダウンライトやブラケットライトが多くレイアウトや器具の変更が容易ではありません。計画的な施工が必要です。 |
ランプの色
同じ消費電力でも、蛍光灯に関しては色によっても受ける明るさの印象が異なります。
こちらについては蛍光灯の色の種類と名称でも触れていますが、おおむね青〜白っぽい色の方が明るく感じ、赤みを帯びた色になる電球球は暗く感じます。
照明器具以外の要素
部屋の用途
手芸や裁縫などの細かい手作業、勉強や読書等に使われる部屋は明るさが求められます。強力な天井照明を使うのも手ですが、スタンドライトやテーブルライトを用いた方が、少ない電力で強くコントロールしやすい光を得られます。
リビングや寝室はやや暗めの方が落ち着いた空間を演出できます。
部屋と使われる方の年齢層
人間の視力は20代後半を境に落ち始めると言われています。特に高齢の方がお住まいの場合は、転倒事故を防止する為にもより明るい照明が必要となります。
部屋の内装、他の部屋との明るさの関係
内装の色や家具の色によっても印象は異なります。ダークブラウン等の暗い色目の家具の場合は、暗い印象になりがちです。
また意外と盲点なのが他の部屋との関係。明るめの照明をつけている部屋と暗めの照明をつけている部屋が隣接している場合は、より暗く感じることがありますので注意が必要です。